TAKARA執筆のきっかけ

TAKARA

『TAKARA』執筆のきっかけ

安江 登美

このtakaraを書くきっかけとなったのは、当時小学4年生だった長女を励ます為でした。こ

の4年生という時期は子ども達にとって第一の難関とも言える時期です。小学1年~3年

生までは先生のおっしゃることを素直に聴き友だち同士でお互いをかばいあい慰め合う

事が出来ます。

しかし、4年生頃になると子ども達は自我に芽生え、先生や友だちの意見が自分と違っ

ていることに気づき、そしてまたお互いに反発しあうようになります。それまで当たり前に

正しいと思っていたこと、例えば授業中に挙手をすること、ハンカチ・ティッシュを必ず忘れ

ないこと、爪は必ず切ってあること、これらは基本的な事です。けれど、これをしていない

子に対し子ども同士が責め合ってしまうことです。基本的なルールを守れない子はやか

ましく注意する子をうとましく思い、注意する子は正義感が強くルーズな子を許す事がで

きません。挙手をして発言しても間違っていたりすると「違います」と言われるとすごく恥ず

かしくなったり傷ついたりして、合っている答えを持っていても挙手出来なくなります。こ

のように低学年では許されていた事柄もわがままも友だち同士で通らなくなります。

その様な時期、私の娘も徐々に自己中心的になって自分を正当化する面が出てきまし

た。そして徐々に友だち関係を悪くしていくのがわかりました。でも、いくら子どもにすねて

は駄目、泣いちゃ駄目だよと一緒になって泣いて話し合っても、子どものあふれ出す感

情は言葉でどうしようも出来ませんでした。私も昔を振り返って見ると自分でもどうしてそ

うしてしまうのか理由が見つけれなかった事を覚えています。人は不安や怒りが生じると

人のせいにしてしまいがちです。泣いたりすねたりすることは同情を引き自分を認めても

らいたい上にする行動です。けれど、これは逆効果となり、最終的にはいじめの原因と化

して行きます。

私は、なんとか自分の言いたいことを娘にメッセージとして送れればと思い当時娘が好き

だったハリーポッターの様に物語にして呼んで聞かせたらどうかと考えました。そして、娘

が寝ている間や学校へ行ってる間に何ページか書き、それを学校から帰ってきた娘に読

んで聞かせる毎日が続きました。すると、日を追うごとに娘が続きが読みたい!とワクワ

クして笑顔で帰って来るようになりました。そして主人公が変わっていく様子に娘自身も

自分を見つめるようになり、原因は全て自分にあることに気づき始めてくれたのです。

また、私とのコミュニケーションの中で、自分はこんなに心配してもらっているのだと彼女

を安心感へと導くことが出来たように思います。

この物語が完結したのは娘が5年生の初めだったと思います。この頃から娘は当時の泣

いてばかりの娘ではなくいつもニコニコ笑うようになり、友だちも昔のように仲よく接してく

れるようになりました。そして何でも積極的に行うようになり友だちと少し何かあっても自

分で解決出来るようになりました。

そんな娘が昨年中学校の夏の作品でtakaraの西口編を書き、校長賞と暮らしの知恵展

出展を頂きました。この西口という生徒はこの物語においてとても重要な位置にいます。

今年、娘は高校生になります。これから友だちや環境も変わりどんどんと人間関係やも

のや事に会い苦しむことも多くなると思います。けれど、小学4年生の時に味わった事を

教訓とし前向きに羽ばたいていってほしいと願っています。

そんないきさつでこのtakaraは出来ました。もし、昔の娘の様に苦しんでおられるお子さ

んや親御さんがみえましたら是非、この本を読んでいただき何かを感じて頂けたら幸いと

思っています。

                                  2009.3.3  安江 登美

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小学4年生長女の4年生の頃

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